数十年経った今もハウスミュージックというフォーマットは色あせずに存在しています。
伝統芸のようにハウスミュージックマナーに則って多くの曲が制作され、ダンスフロアでもその音が求められています。
「人はハウスミュージックの何に興奮しているのか」名盤の中にその答えが隠されているかもしれません。
こちらの【前編】では、世間一般的に名盤と呼ばれる曲を集めました。
【後編】ではもう少し掘り下げた名盤をご紹介する予定です。
ハウスクラシックスの中には、現代の曲と比べるとどうしても古臭さを感じてしまうものもあります。
なるべく現代の曲と比べても通用するであろう曲を選ばせて頂きました。
歴史的ハウスミュージックの名曲・名盤[20選]
Marshall Jefferson – Move Your Body
「Move Your Body」は、Marshall Jeffersonが1986年にTrax Recordsからリリースしたハウスミュージックの曲です。ハウスミュージックの中で最も早くピアノがフィーチャーされた曲の一つです。この曲は、Marshall Jeffersonがピアノを弾けなかったため、レコーディング時にBPMを落として演奏し、その後元のBPMに戻してリリースされたという逸話があります。
Frankie Knuckles – The Whistle Song
Frankie Knucklesの代表作とも言える「The Whistle Song」は、1991年の全米ダンスチャートの4部門で初のナンバーワンとなった曲です。
J.M. Silk – Music Is The Key
Steve “Silk” HurleyとボーカルのKeith NunnallyがJ.M. Silk名義でリリースした作品。父親からお金を借りてプロのスタジオで録音したという、Steve “Silk” Hurleyの最初のプロデュース曲。1985年に設立されたD.J.インターナショナル・レコーズからの最初のリリースでもあります。
Armando – Land Of Confusion
「Land of Confusion」は1987年にWestbrook Recordsからリリースされました。ArmandoはRoland TB-303を使用したアシッドハウスの発展に深く貢献したDJの一人です。
Inner City – Big Fun
デトロイトテクノのオリジネーターとして知られるKevin SaundersonのプロジェクトInner City。1988年にリリースした「Big Fun」はアメリカのダンスチャートで1位を獲得し、その後、同グループで世界的ヒット曲を連発しました。
Crystal Waters – Gypsy Woman
「Gypsy Woman」はCrystal Watersのデビュー・スタジオ・アルバム「Surprise」(1991)に収録されています。この曲はCrystal Watersがホームレスの女性のことを題材に作った曲で、Basement Boysがプロデュースしています。ベルギー、イタリア、オランダ、スペイン、スイス、ユーロチャート・ホット100で1位を獲得しました。
Robin S – Show Me Love (Stonebridge Club Mix)
アメリカの歌手Robin Sの「Show Me Love」は、1990年にイギリスの<Champion Records>からリリースされました。1992年にスウェーデンのハウスミュージック制作デュオ、StoneBridgeとNick Niceによってリミックスされたバージョンがヨーロッパ各国やアメリカ、日本でリリースされ、大ヒットとなりました。
Nightcrawlers – Push the Feeling On (Mk Dub Revisited Edit)
「Push the Feeling On」は、スコットランドの音楽グループNightcrawlersによって1992年にリリースされ、その後、1995年にMK(Marc Kinchen)によってリミックスされ、イギリスを含むヨーロッパ各国でトップ10に入り、最高位は3位を記録しました。
Bam Bam – Give It To Me
Bam BamことChris Westbrookが自身のWestbrookレーベルから1988年にリリースし、後のアシッドハウスに大きな影響を与えた作品。
Soft House Company – What You Need
1990年にリリースされた12インチ「What You Need」はイタロハウスの代表的な曲です。Claudio Moz-art RispoliとKekko MontefioriがSoft House Company名義でリリースした唯一の作品。この曲はすぐにアメリカやイギリスのDJの間でカルトチューンとなりました。90年代のハウスクラシックとして知られています。
Joe Smooth – Promised Land
「Promised Land」は、プロデューサー兼DJのJoe SmoothがAnthony Thomasをフィーチャーした1987年のシングルで、最も広く知られているハウス・クラシックの1つです。Farley “Jackmaster” Funkとヨーロッパツアーしていた時に、ヨーロッパでハウスミュージックがいかに受け入れられているかを目の当たりにしたことからインスピレーションを得て「Promised Land」を書き上げました。
Blaze – So Special
1984年にアメリカ・ニュージャージーでJosh Milan・Kevin Hedge・Chris Herbertの3人により結成されたBlaze。当時Motownの副社長をしていたTimmy RegisfordのプロデュースによるBlaze最初の大ヒット曲が「So Special」です。
Norma Jean Bell – I’m the Baddest Bitch (In The Room) (Moodymann Mix)
Roy Ayers「Sweet Tears」のサンプルをもとに作られた「I’m the Baddest Bitch (In The Room)」は、シンガーソングライター、そしてサックス奏者であるNorma Jean Bellの作品です。Moodymannがリミックスを担当しています。
The Fog – Been A Long Time
The Fog「Been A Long Time」は、Murkとして知られるRalph Falconのプロデュースによる1993年リリースの作品です。
Phuture – Acid Tracks
DJ Pierreが在籍したアシッドハウスグループPhutureの1987年の作品で、この曲によってアシッド・ハウスの歴史が幕を開けました。Roland TB-303ベースマシンを使用して作られ、当初は「In Your Mind」という曲名でした。<The Musicbox>でRon Hardyがプレイを繰り返すうちに、観客から「Acid Tracks」と呼ばれるようになり、正式リリースの際に「Acid Tracks」にタイトルが変更されました。
Adonis – No Way Back
「Too far gone and no way back」というフレーズが印象的な「No Way Back」は、1986年にリリースされたシカゴの最も象徴的な曲の一つであり、最初のアシッドハウストラックの一つであると考えられています。
Lil Louis – French Kiss
「French Kiss」は、アメリカのDJ兼レコードプロデューサーLil’ Louisによって1989年にリリースされました。曲中に女性のあえぎ声が収録されており、BBCで放送禁止になったものの、ヨーロッパとアメリカで大ヒットしました。ブレイクでBPMが遅くなり、また早くなるという仕掛けも斬新でした。
A Guy Called Gerald – Voodoo Ray
初期の808STATEのメンバーだったGerald SimpsonがA Guy Called Gerald名義で録音した「Voodoo Ray」は1988年にリリースされました。セカンドサマーオブラブ全盛のUKで制作された最初期のUK産アシッドハウスと言われています。
CeCe Peniston – Finally
「Finally」は、アメリカのシンガーソングライター、CeCe Penistonの1991年のデビューシングルです。この曲はビルボードホットダンスクラブプレイチャートで大成功を収め、1991年後半には2週にわたって1位を獲得しています。Felipe Delgado (DJ Wax Dawg)によるプロデュースで、David Moralesもパーカションとリミックスで参加しています。
Mr. Fingers – Closer
Deep Houseをこの世に広めたLarry HeardによるMr. Fingers名義での1992年のヒット作です。