Tony Humphries(トニー・ハンフリーズ)
1957年にニューヨーク・ブルックリンで生まれたTony Humphriesは、10歳の頃からレコード収集を開始しました。コロンビアから移住してきたサルサミュージシャンである父親、Rene Grandからの影響を受け、幼い頃から音楽への情熱を育んでいました。10代のころはカトリック系の学校に通っていて、聖歌隊にも参加していました。
大学に進学するとTony HumphriesはDJとしての活動を開始し、1981年にShep Pettibone(後にMadonnaのリミックスやプロデュースを担当するDJ)にミックステープを渡したことをきっかけにKISS-FMでプレイするチャンスを得ました。その後KISS-FMでのレギュラーの座を獲得したTonyは1982年から1994年まで、毎週金曜日と土曜日のプログラムを担当しました。
1982年には「ジャージー・サウンド」発祥のきっかけとなるニュージャージー州・ニューアークのクラブ「Zanzibar(ザンジバル)」でのレジデントをスタートさせました。
ZanzibarのサウンドシステムはThe LoftやParadise Garageを手掛けたリチャードロングが設計しました。箱の大きさはParadise Garageの半分ほどでしたが、Paradise Garageをしのぐほどの強烈なサウンドだったそうです。
Tony HumphriesはラジオDJとして十分に成功していましたが、自分の腕を試すチャンスが欲しいと考え、ZanzibarのレジデントDJだったLarry Patterson(ラリー・パターソン)にプレイさせてもらえるように頼みました。週末はLarry PattersonとTee Scott(ティー・スコット)が担当していたため、最初は水曜日を担当することになりました。
やがて、Larry Pattersonが亡くなってしまい、Shelton Hayesがその穴を埋め、その後、Tony Humphriesが引き継ぎ、Zanzibarを伝説のクラブと呼ばれるほどの存在に押し上げていきました。
アメリカ国内だけにとどまらず、1993年からはロンドンの超有名クラブ「Ministry of Sound」でレジデントを務めヨーロッパでの人気を獲得しました。Ministry of Sound名義でのMix CDのリリースや、NYやイビザでDavid Morales、”Little” Louie Vegaと共にKings Of Houseツアーを成功させました。
自身のヨーロッパでの活躍や成功によって、アメリカで活躍するDJ達がヨーロッパへ進出する道筋を開拓したと言えます。
1989年には青少年の興味を犯罪から音楽やダンスに向かわせた功績として、ニューヨーク市名誉市民の称号を授与されました。
リミキサーとしてもJanet Jackson・Alison Limerick・ Ultra Naté ・Chaka Kahn等そうそうたるアーティストを手掛け高い評価を受けています。
35年以上の長いキャリアを重ねても尚、現在も世界中のフロアで精力的にプレイを続けるまさに「リビングレジェンド」といえる存在です。
Tony Humphriesのおすすめ曲
Chaka Khan – I Know You, I Live You (Tony Humphries Remix)
Nina Simone – Turn Me On (Tony Humphries Vocal Remix)
Romanthony – In the mix (Tony’s Classic Mastermix)
THE SUGARCUBES – Hit (Tony Humphries Sweet ‘N Low Mix)
The Sugarcubes – Leash Called Love (Tony Humphries Mix)
The Reese Project – Human (Tony Humphries Club Mix)
Imagination – Music and Lights (Tony Humphries Remix)
Tony HumphriesのDJ Mix
Tony Humphries @ Cielo NYC 2016 | BE-AT.TV