Fatboy Slimことノーマン・クックは、ケミカル・ブラザーズやプロディジーなどとともに、90年代半ばから後半にかけて登場したビッグ・ビートというジャンルの先駆者としてダンスミュージックシーンに登場しました。
2002年7月13日にはブライトンビーチでフリーパーティーを開催し、25万人以上の人々が集まるなど、その影響力は凄まじく、現在に至るまでトップアーティストとして知られています。
その伝説的DJ/プロデューサーが現代の音楽技術には「選択肢が多すぎる」と主張し、現代のドラムマシンやシンセサイザーに制限がないことが「もうあまり音楽を作らない理由の一つ」だとSynth Historyとのインタビューで話しています。
「私はあらゆる種類のテクノロジーや音楽に対して、レイトアダプターとしてのアプローチをとっています。ひとつのことを学ぶにしても、マニュアルにとらわれず、徹底的に学び、徹底的に知る。そして、壊れずに使える限りはそれにしがみつく。なぜなら、新しく出てきたものを習得するためだけに一生を費やすのは無駄だからです。数カ月かけて使い方を覚えても、また新しいものが出てきたら、その使い方を覚えるのに時間がかかります。機材の使い方を学ぶことに時間を費やしても、実際に現場で使うことはない。」
「私はいつも新しい機材よりも古い機材が好きなんです。より刺激的だと思うからです。エレクトロニック・ミュージックを作っているとき、最も刺激的だったのは、人々が非常に限られた機材しか持っておらず、そこから何を絞り出すかが重要だった時代だと思うんだ。808や909、303のようなものです。」
「303は本来の用途には使えないということから、あらゆるジャンクショップに中古品が安く出回っていた。そして、誰かが303のフィルターを酷使すると、美しいアシッドサウンドが得られることを発見したんだ。私はドラムマシン1台と、よく知っているシンセサイザー2台、それにループとサンプルを使ってレコードを作ってきたんだ。それらは私のパラメーターでした。そこから何を引き出せるか、自分が持っているものでどれだけ工夫できるのか。」
「現代の技術では、ラップトップがあれば、ドラムマシンもシンセの音も、ありとあらゆる(潜在的な)音も、これまでにリリースされたすべてのレコードも、全部入っているんです。でも、僕はただ座って、うーん、どこから始めようか?となるんだ。それが、私がもうあまり音楽を作らなくなった理由のひとつです。」
また、Fatboy Slimは以下のようにも話しています。
「誰もが303を必要としている。最も重要なのは、みんな知らないかもしれないけど、必要なのは本物の303であって、クローンじゃないんだ。クローンもいいんだけど、その違いはわかるし、303ではないんだ」
「誰もが自分の家に303を持ち、その小さな秘密の設定でプレイすればいいんだ。ある晩に書いたいくつかのパターンを、朝、コーヒーを飲んでいるときにちょっとだけ手を加えれば、一日を完璧に彩るものなるんだよ」
インタビュー全文は以下から。(英文)