レコードや本の置き場に困る人、機材が増えすぎて倉庫を借りる人、コピったはずのCDが見つからなくて焦る人、DJをやっているとモノが増えて困ります。さてプロのDJは、いったいどんなおうちに住んでいるのでしょうか。
セットアップやインテリアが参考になるかもしれない自宅スタジオから、まったくの別世界でポカーンと眺めるしかない大豪邸まで、有名DJのお宅やスタジオの様子を集めてみました。
Kenny Dope(ケニー・ドープ)

5万枚を誇るレコードコレクターとして、またヴィンテージ機材マニアとしても有名なケニーのおうち。
90年代、ルイと一緒に写っている古い映像↑ですが、狭いアパートみたいなところで楽しそうに曲を作っています。前半はブルックリンにあるDungeon Tapeというレーベルのスタジオ、後半がミッドタウンのBattery Studios。
こちら↓はルイがやっているVega Recordsというレーベルの事務所ではないかと思うのですが、定かではありません。広くて天高で、レコードショップのようにオシャレ。


Black Coffee(ブラックコーヒー)


南アフリカのヨハネスブルクにある、Black Coffee(ブラック・コーヒー)の豪邸。グラミーアーティストというよりも、レコードレーベル運営やエンジェル投資家など、もはや実業家として成功している彼ですが、これはホテル内の敷地に、国内の有名な建築家とのコラボで作られた、オリジナルインテリアのペントハウス。
マーブル大理石のテーブルトップをくり抜いてCDJが埋め込まれているそうです↓。

資料によると、本人初の「インテリア作品」と書いてあり、映像だと売り物みたいに紹介しています。んんっ? 名前貸しの不動産広告でしょうか。だ、だまされた…。
普通に考えて、自分の家に自分の写真をデカデカと飾ったりしないので、これは彼がギネスだのバーニングマンだの、よくやっている派手な「セルフブランディング」「PR活動」の一環のようです。「高級ペントハウスのデザインしてみました」と。
もう一度調べたところ、このおうち、AirB’n’Bに出ていました。1泊1,000ドル、最低3泊、最大6名。最初からプロモーションのつもりか、実は売れなくて貸してるのか微妙。と思っていたら、ほんの数週間でAirBから消え、公開オークションに出されて売却されました。いくらで売れたのかまではわかりませんでしたが、こんなエゲツないハイプな商売してるのは、ファレル(トロントのタワマン)とロナウド(CR7 Hotels)ぐらいです。
さらに調べたところ、2025年10月に、ケープタウンに9ミリオンドル(現在のレートで14.2憶円)の大豪邸を買ったというニュースが流れており、本当に住んでいるのはコチラ↓でした。



9ミリオンに、ヨハネスのペントハウスのコミッションもつぎ込まれているに違いありません。レントが50ドル上がっただけで生活が苦しくなる庶民には、まったくもって理解不能な世界。
Ron Trent(ロン・トレント)

2026年、グラミーRemix賞候補だったロン・トレントの、自宅地下にあるスタジオ。動画の一番最初に一瞬だけ出てきます。
アメリカやカナダの一軒家は、ほとんどに地下室があって、芝刈り機など普段使わない荷物を置く倉庫か、ランドリーとして洗濯機や乾燥機が置いてあるのが一般的ですが、DJの場合は音楽スタジオに使えるという、うらやましい環境です。
ものすごく広くて天井も高く、スピーカーを両側から吊ってあり、クラブみたいに見えます。防音も地上階よりは簡単そう。
ここより前のスタジオですが、mixmagに詳しい機材リストが写真つきで載っていたので、セットアップにご興味のある人は、そちらをご参照ください。
Roger Sanchez(ロジャー・サンチェス)
コロナ中に、マイアミの自宅から配信していたロジャー・サンチェス。DJセットアップの部分しか見えませんが、白くて広くてキレイそうなおうち。
この頃はヨガに凝っていて、結構痩せて良かった、規律正しい生活をして、仕事と生活のバランスが保てるようになったと、インタビューで言っていました。
Fatboy Slim(ファットボーイ・スリム)も、コロナ中にブライトンの自宅から配信していたのですが、番外編でFatgirl Slim(ファットガール・スリム)ことネリ―・クックちゃんがDJデビュー。こちらはスマイルマークグッズだらけのリビングが360度観察できます。
Andrew Weatherall(アンドリュー・ウェザーオール)

UKアンダーグラウンドの鬼才、アンドリュー・ウェザーオール。家を出る時に「仕事」に行くんだと考えるのが好きで、家とスタジオを分けていたそうですが、どちらも写真が公開されていました。


一番最初の写真は自宅ですが、この撮影後すぐに、Shoreditch(ショーディッチ)エリア開発計画により立ち退きになったとのこと。
ショーディッチは今やブティックホテル、レストラン、カフェなど立ち並ぶロンドン随一の超オシャレエリアです。昔はサビれていたなど想像もつきません。
下はスタジオです。外に出るのがめんどくさいのか、ここでインタビューを受けている記事や動画が結構ありました。どっちも同じカオスっぷりで、正直なところ、家と仕事場をわける意味がまったくありません。
Rasmus Faber(ラスマス・フェイバー)


スウェーデンのストックホルム南部にある、ラスマス・フェイバーさんのおうち兼スタジオ「Farplane Studio(ファープレーン・スタジオ)」。案外こじんまりしているように見えますが、↑この飾ってある鳥イラストのアートワークが北欧っぽくてオシャレです。
調べてみたところ、Lina Johanssonという、スウェーデンのテキスタイルデザイナーの「Flight」という作品で、600スウェーデン・クローナ、約1万円で売っていました。Swizz Beatzの家に飾ってある巨大絵画とくらべたら、1000分の1以下のお値段。


セットアップや引っ越し(改装?)時の様子も公開されています。これなら日本でも少しはマネできそうな、庶民派なおうちで良かったです。
スウェーデンも地下階のある家が多く、服やシーツを乾かせる広い乾燥室やサウナなど、スウェーデン特有の設備があっておもしろいのですが、インスタにはありませんでした。一軒家っぽいので、たぶんそういうものが地下にあるはずです。
Jamie Jones(ジェイミー・ジョーンズ)

ウェールズ出身のハウスDJ、ジェイミー・ジョーンズさんの、カリフォルニアのおうち。Hot Creationオーナー、2011年Resident Advisorの年間投票で世界No.1 DJに輝く、ハウス/テクノのトップクリエイター。
ここの特徴は何と言っても眺望。気持ち良さそうです。

こんな上から下まで全面ガラスの物件、普通ありません。近年建てられた高級コンドミニアム特有の設計。
Pete Tongさんやジェレミーさんを筆頭に、LAに移住するイギリス人DJが結構いますが、逆にベルリンやイビザに移住するアメリカ人DJもいます。イギリス人はアメリカに来たがり、アメリカ人はアメリカを出たがり、お互い、ないものねだり。

David Morales(デヴィッド・モラレス)

おうちではないのですが、デヴィッド・モラレスが2018年に開設した、レーベル兼スタジオ「DIRIDIM」の様子。DJ配信「SUNDAY MASS Live Show」はここでやっています。
赤色がお好きなようで、赤を指し色にしたインテリア。ヘッドフォンもミキサーも赤色。キースへリングのイラストが飾ってあるのが見えます。
DJブースは一昨年改装。今はミラーボールがついて、照明を落としてクラブのような雰囲気で配信しています。↓録音スタジオの方は今現在も真っ赤です。座っている椅子に見覚えのあるロゴが入ってると思ったら、プレステのゲーマー用の椅子でした。
※FBの動画の貼り方がわからないので、以下コマ抜きで失礼します。モラレス様ごめんなさい。



長時間作業する方は、椅子にこだわってみるのもいいかもしれませんが、過信は禁物です。高級な椅子を買ったからといって人間健康になれません。
Diplo(ディプロ)

ジャマイカの高級住宅エリアの丘の上にある、ディプロさんのおうち。家というより別荘だと思いますが、50エーカーの土地を見つけて買って、ゼロから建てたと言っています。
バナナやパイナップルが生り放題の農園や、現代アーティストのオリジナル作品、インフィニティプールなど、とても豪華に見えますが、壁がほとんどないので、もしこの家に住むと、暑すぎて何もする気にならないです。ジャマイカは冷房がないと生きていけません。
いきなり馬に乗って登場しますが、馬ってものすごいお金がかかるらしくて、この家の月間維持費だけで、自分なら1~2年生きていけそうです。

Zedd(ゼッド)

ディプロさん動画と、同じチャンネルから昨年アップされた、ゼッドさんのおうち。ヴォーカルブースと、ガラスで仕切られた録音スタジオがあります。
あとはジム、サウナ、露天風呂、プール、服屋さんのように広いクローゼットとスニーカー&時計コレクション。
彼が最近凝っていると言っている、キッチンカウンターのコーヒー器具いろいろ、ざっと見積もって合計350万円ぐらいです。顕微鏡みたいな形の黒い物体は80万円、CDJ2台より高いです。
レコードを置いてあるエリアが、日本のライブラリー/ラウンジにインスパイアされたと言っていますが、代官山蔦屋さんの「Anjin」のことではないでしょうか。

このADというYoutubeチャンネル、コンデナストが出している建築事務所御用達の建築専門誌「AD」が母体ですが、ADがこの世のお金持ちの建築・インテリアデザインのトレンドを決めていると言ってもいい雑誌で、各国版にクオリティの差はあるものの、ADに取材されること自体、建築家も施主もカメラマンも名誉です。
チャンネルの方は、他にもJ.Balvin(J.バルヴィン)のメデジンにある日本風の家、Lenny Kravitz(レニー・クラヴィッツ)のブラジルの家、Swizz Beatz & Alicia Keys(スウィズ・ビーツ&アリシア・キーズ)夫妻のサンディエゴの家、Maroon5のアダムのLAにある家、売れっ子ラッパーの方々の家など、音楽関係者の非現実的なおうちを多数紹介。
もちろんすべて、本人が詳しく紹介してくれています。昨年、Tiny Desk Concert(タイニー・デスク・コンサート)のスタジオの様子もアップされていました。
基本的には建築家がフォーカスされるべきチャンネル&コンテンツであって、なぜ施主がしゃしゃり出てくるのか腑に落ちないところもありますが、有名人のおうちが見られるのは貴重です。ご興味あればぜひ観てみてください。

