Deep Houseとは?
Deep House(ディープハウス)はChicago House(シカゴハウス)から派生し生まれたハウスミュージックのサブジャンルになります。
シカゴハウスはアンダーグラウンドなDJやアーティスト達が、ディスコやソウルを参考に、楽器メーカーであるRolandのTR-808やTR-909などのリズムマシンやシンセの音を加えジャッキンに変貌させたフロアライクなサウンドです。
シカゴハウスにTB-303のウネウネしたベース音を加えるとアシッドハウスと呼ばれるサウンドになりますが、これはまた別の機会にご紹介します。
ディープハウスは深く、酩酊感のあるサウンドを特徴としています。
1984年にLarry Heard(ラリーハード)がシーンに登場すると、Mr.Fingers名義でそれまでのフロアライクなハウスとは違った妖艶で、気怠いムードを持ったハウスをリリースし始め、少しずつハウスに深みを感じさせる要素が盛り込まれて行きました。
同時にLarry Heardは、Robert Owens、Ron Wilsonと共に結成されたFingers Inc(フィンガーズインク)でも活動を始め、アンビエントな要素や、ジャジーなコード進行などを取り入れ、ハウスミュージックの解釈を拡大していきました。
現代のディープハウスの意味
80年代中盤にシカゴハウスから派生しディープハウスが生まれましたが、現在のDJ・音楽シーンにおいては、ディープハウスは主に2つの意味を持っています。
- Larry Heardの登場以降、発展していった文字通りディープさを感じることが出来るハウスミュージックのこと。ハウスシーンの発展と共に、様々なサブジャンルと融合しており、例えばテックハウスにディープハウスの要素があったり、ミニマルテクノにディープハウスの要素があったりと、多種多様なディープハウスが生まれています。
- ブラックミュージックの要素があるハウスのこと。これはハウスミュージックに多種多様なサブジャンルが生まれたことにより、他と区別するため、元々のソウル、ファンク、ディスコなどブラックミュージックの流れを汲むオリジナルハウスミュージックをディープハウスと呼び始めました。
ディープハウスの話題になった場合は、ほとんどが上記「1」を意味しますが、時に「2」を意味することがあるということです。「2」に関しては、近年ではソウルフルハウスと言われることが多くなって来ています。
ディープハウスの音の傾向
Deep Houseを認識するうえで、ある程度の音の傾向が挙げられます。
- 民族的なパーカッシヴサウンド
- アタック成分や高域成分を抑えた柔らかい音色
- ソウルフルなボーカル
- ジャジーなコード進行、調性感が曖昧、モード旋法、ワンコード
- 半音階的進行
- 清涼感のあるサウンド
- アンビエントを感じさせる
- ストリングスやシンセによるパッド音
- 深めのリバーブ、エコー、ディレイなどのエフェクト
などがありますが、全ての要素が入っていると言うことではありません。一部だけかもしれませんし、全く入っていない場合もあるかもしれません。あくまで傾向であり、また時代と共にディープ感覚、解釈は変わって行くと思われます。
ディープハウスおすすめの名盤
Larry Heard – Another Night
Glenn Undergroud – Israelee Night Falls
Rick Wade – Pimp Factor
Paris Underground Trax Vol.1 – NYC Underground
Dan Shake – 3AM Jazz Club
Detroit Swindle – Sometimes
Daniel Leseman – So Fine
Kettenkarussell – Maybe
Genius Of Time – Peace Bird
Mental Remedy feat. Ayuri – Harmony