Daft Punkの元メンバーであり、DJや作曲家として活動するThomas Bangalterが、音楽制作におけるAIの役割について自身の見解を明かしました。Art Basel期間中に開催されたファッションブランドCHANELのトークイベントにて、Arts, Culture & Heritage部門プレジデントのYana Peelとの対談に登壇した同氏は、「人工知能の創造的な使用にはあまり興味がない」と語っています。
Thomas Bangalterは、AIがプロンプトと呼ばれる言語的な指示を通して機能する仕組みが、自身の個人的な制作スタイルと対照的である点を理由に挙げました。創作やアートとの関係の多くは言葉で表現されない深いレベルで起きており、プロンプトという言語的表現を経由するAIのプロセスに惹かれない最大の要因であると解説しています。創造における最も魅力的な部分は、知性や表面的な表現ではなく、自身の感情を理解していく過程に存在するという考えを示しました。対談中に回答に苦心し言葉を失う瞬間についても、まさに言葉にできない感覚を捉えようとしている証拠であると説明しています。
トークではAIだけでなく建築についても議論が及び、フィクションと現実の境界を曖昧にする能力から「おそらくあらゆる芸術形式の中で最も創造的」と評価しました。さらに、Julien CharrièreおよびRampaと共同で手掛けたArt Baselのフィナーレ作品『Warehouse Artefacts』や、Daft Punkの代表的アルバム、Andy Warholや映画『Metropolis』から受けた影響、近年のオーケストラ作曲やバレエ作品への参加についても触れています。音楽シーンにおけるAIの関心の高まりについては、Skrillexをはじめとする他のエレクトロニックアーティストからも発言が相次いでいます。

