パリを拠点とする著名なレーベル兼レコードショップのYoyakuが、ベルリンのレコードプレス工場OBJECTSを買収し、新たな流通サービス「Kurtezy」を立ち上げました。
今年初めに旧経営陣のもとで操業を停止していたOBJECTSですが、今回の買収によって生産ラインの稼働が最小限の中断で継続されることとなります。
工場の創設者であるJeremy Guillotを含む元のチームメンバーの多くが残留し、現場の技術やノウハウが維持される形です。
Yoyakuの創設者兼CEOであるBenjamin Belagaはベルリンへ移住し、製造拠点としての長期的な発展を目指して直接運営を監督する体制を整えます。
工場にはAlpha Phoenix製のプレス機や銀めっき(ガルバニック)処理ラインが備わっており、ラッカー盤の加工からスタンパー制作、プレス、流通までをワンストップで行えるのが特徴です。
この買収に合わせて始動した流通サービスKurtezyは、製品がプレス機からレコードショップに届くまでのプロセスを、よりダイレクトに繋ぐことを目的としています。
プロジェクトには、KMA60の創設者Jamie FryやPerlonのSammy Deeといったベルリンのシーンに深く根ざした重要人物たちが名を連ねました。
Kurtezyは単なるYoyakuの拡張版ではなく、現地の独立系レーベルやアーティスト、レコード店を統合的に支援するベルリン発のイニシアチブとして位置付けられています。
興味深い点として、工場内には一般向けのピックアップポイントを設けず、製品をベルリン市内に存在するレコード店へと循環させることで、地域の店舗文化をサポートする方針を掲げているとのことです。
独立系音楽エコシステムの再構築を目指すこの試みが、今後のアナログ市場にどのような影響を与えるか注目されます。

