「RCRDSHP」音楽の価値を取り戻す新たなNFTプラットフォーム

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Spotifyを始めとする音楽ストリーミングは、ユーザー側にとっては利便性がある一方、アーティスト側にとっては報酬の分配率の低さがたびたび問題になっています。

一部のスーパースターを除き、アーティストの収益はCDや、ダウンロードが主流だった時代よりも低迷しているのが現状です。

「Opensea」「Audius」など、ブロックチェーンベースのプラットフォームで音楽を販売、配信する動きは、アーティストの利益を極限まで圧迫してきたことに起因しています。

「RCRDSHP(レコードショップと読む)」は、既存の音楽業界を作り変えようとするイニシアティブな会社のひとつであり、エレクトロニック・ミュージックに根ざしたデジタル収集品を売買することができるプラットフォームです。

既存の音楽配信システムの弱点に対処・改善し、活動するミュージシャンを支援するため、Flowブロックチェーン上に設計された新しいソリューションを構築しています。

RCRDSHPの従業員の80%はDJか電子音楽家だという同社では、NFT(ノンファンジブル・トークン)という形でコンテンツのデジタル「パック」をキュレーションし、トップアーティストやレーベルによる楽曲、ビデオクリップ、ビジュアル、バックステージコンテンツ、その他のマルチメディアをリリースしています。

RCRDSHPの創設者兼CEOのObie Fernandezは、クリエイターに新たな収入源とファンとの体験を提供することを目的にRCRDSHPを立ち上げました。

「エレクトロニック・ミュージックのアーティストはもともと革新者、探求者であり、テクノロジーと非常に調和していると思う」と語っています。

同社はわずか数カ月で200万ドル以上を売り上げ、NFTパックをプラットフォームに提供したクリエイターに「膨大な金額」を分配しているという。

他のブロックチェーン音楽スタートアップとは異なり、RCRDSHPはすでに多くのフォロワーを持つアーティスト、レーベルを確保し、プラットフォームを通じて音楽をリリースしています。

その中には、Juan Atkins、Ferry Corsten、Todd Terry、Crystal Waters、Mauro Picottoといったアーティストや、<Cocoon Recordings>、<Nervous Records>、<Iboga Records>、<Toolroom Records>といったレーベルなどがあります。

「私たちがやろうとしているのは、メインストリームを活性化させることです。私たちは未来を信じています。それはアーティストとファンとのより密接な関係に基づいています。そして今、既存のプラットフォームではそれを実現出来ません。私にとっての成功とは、アーティストの作った音楽に熱狂するファンを生み出すことです。それが彼らの心を動かすからです」とObie Fernandezは述べています。

現時点では、ブロックチェーンやNFTといった新しい技術を用いた音楽サービスは発展途上ではありますが、将来的には中古レコードのようにデジタル音楽、コンテンツが2次流通として売買され、その一部がアーティストにも還元されるのが当たり前になる日が来るのかも知れません。

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