『Citizen DJ』アメリカ議会図書館の著作権フリーのサンプリングサイトが開設
アメリカ議会図書館は、サンプリングの新たな黄金時代を開拓するために、無料のオンラインツールを立ち上げました。これにより、著作権フリーの膨大な音楽と音声のレコーディングアーカイブにアクセスできます。
「Citizen DJ」と呼ばれる新しいサイトでは、ユーザーがオンザフライでそれらをリミックスできるブラウザーアプリが用意され、数十万のアーカイブされたオーディオサンプルがアップロードされています。
オーディオサンプルは、Xln Audioのソフトサンプラー「XO」のようなカラフルなビジュアルインターフェースを介して試聴でき、MPCやSP-12、TR-808などのクラシックドラムマシンをエミュレートしたオンラインシーケンサーを使用してその場でビートを作成出来ます。
オーディオサンプルには、映画のサウンド、俳優、ミュージシャンなどの有名人とのインタビュー音声、無料の音楽アーカイブなどが含まれます。気に入ったサウンドが見つかれば、関連するサンプルを個別にダウンロードするか、数千のクリップを含むサンプルパックとして入手することが出来ます。
「Citizen DJ」は、Brian Fooが米国議会図書館のInnovator-in-Residenceとして開発中のプロジェクトで、ライブラリのパブリックオーディオと動画のコレクションを使用してヒップホップミュージックを作ることを勧めています。
Brian Fooは、図書館や博物館で10年近く働いており、大規模なメディアコレクションの視覚化を専門としています。Public Enemyの「Fear of a Black Planet」や、De La Soulの「3 Feet High & Rising」などのヒップホップ黄金時代のサウンドコラージュの美学に触発されてきました。しかし、このスタイルのヒップホップの創作は、著作権利用のために、近年非常に高額な費用が掛かる傾向があると彼は指摘しています。
「新しい世代のヒップホップ・アーティストやプロデューサーが、音楽制作のためにパブリック・ドメインのオーディオやビデオ素材を発見し、アクセスし、利用する簡単な方法があれば、創造性を最大限に高め、新しいサウンドを発明し、リスナーを普段聞かないような素材や文化、音の歴史に結びつけることができると期待しています。」とBrian Fooは述べています。
現在ベータ版の「Citizen DJ」を試すことができます。このツールは2020年夏に完全版がリリースされる予定です。