Chip E(チップ・イー)
イリノイ州シカゴで生まれたChip Eは1982年にDJとしてのキャリアをスタートさせました。1984年になると自身で楽曲を作成しレコードをリリースするまでに至り、翌1985年には「Street Mix magazine」誌上でChip Eは「ハウスミュージックのゴッドファーザー」と評されました。
1987年にシカゴの3つの主要FM局(WBMX, WGCI-FM, B96)全てで定期的にプレイする初めてのDJとなりました。中でも当時ヒット曲だけを掛けていたB96局はChip Eの影響でダンスミュージック専門のラジオ局へと転向しました。
Chip Eが最初に作成した「Jack Trax EP」は「Time to Jack」や「It’s House」といった楽曲が含まれた7曲入りのレコードで、楽曲中に「Jack」と「House」という言葉を使用し、多くのアーティストに影響を与えました。以降ハウスミュージックの楽曲中で「Jack」と「House」という言葉が頻繁に使われるようになります。
Chip E – Time to Jack
1986年にはFrankie Knucklesがリリースした「You Can’t Hide」で製作をサポートしました。その後もLidell Townsell、Kevin Irving、Harri Dennisと言ったアーティストと共演を重ね、21歳までに彼の名は世界的に知られることとなりました。
1995年ごろになると、Chip Eはスタジオワークを休止していましたが、イギリスやイタリアではごく稀にDJプレイを行なっていて、Chip Eというアーティスト像は「神話の領域」に達していました。
その後、音楽シーンでは名前を見なくなりましたが、映像やDVDの世界でFleetwood Mac、Prince、The Black Eyed Peasなどと仕事をし、再度注目を集めると、2005年には監督として「The Unusual Suspect」と題されたハウスミュージックのドキュメンタリー映画を制作をしました。
2017年にChip EはCarl Coxに連絡を取り、新たに音楽の制作を始めました。
これが縁で80年代の名曲「Like This」を再びPhunk Junk Recordsよりリリースされることになりました。
その翌年、ULTRA MUSIC Festivalの20周年で久しぶりにDJプレイをした後、Carl Coxと一緒にステージで共演し「Time to Jack」の2018年バージョンを披露しました。
Chip Eはダンスミュージックが世界中に拡がる様子を「刺激的な時期」だと言い、精力的にタイやキューバなど世界各国でプレイを続けています。
Chip Eのおすすめ曲
Chip E – Sensuous House