Dubtribe Sound SystemのSunshine Jonesが、パソコンを使わずに演奏しながら曲を組み立てるライブを支えてきたシーケンサーの遍歴を語りました。
Dubtribe Sound Systemは、サンフランシスコを拠点に1991年から2005年まで世界中で制作とライブを続けたエレクトロニック・グループです。
Sunshine JonesとMoonbeam Jonesの2人のシンガーによるグループで、DATテープやノートパソコンで録音を流さず、何時間も生演奏を続けることで知られていました。
Sunshineは2014年に音楽用のノートパソコンを閉じて以来、スタジオではコンピューターもソフトウェアも使っていないそうです。
さかのぼると、1990年のライブで使っていたのはAlesis MMT-8でした。
曲は用意せず、パートとトラックだけを組んでドラムマシンをつなぐやり方で、10年以上世界中をツアーしました。
MMT-8はボタンが壊れやすくクラッシュも多い機材でしたが、その即時性にほれ込み、使い続けたと語っています。
演奏のたびにトラックの構成をその場で組み立てるため、同じ演奏は二度となかったそうです。
ところがAlesisが経営破綻すると、愛用の機材は2台を残して使いつぶし、代わりを探し始めました。
手に入るものは片っ端から試したものの、満足できる機材はなかったといいます。
そこへ現れたのが、2015年にSquarpが出したPyramidで、Sunshineは「夢がかなった」と表現しています。
即興のライブにも完全に対応し、MMT-8よりはるかに多くのことができる機材でした。
その後に出た機材は、どのパッドにも好きなMIDIチャンネルを割り当てられず、操作も「トラック」単位になったため、Sunshineにとってはソフトウェアに近すぎました。
Pyramidはすでに製造が終了し、手元の機体もボタンが引っかかり始めています。
それでも2015年から今日まで、世界中のステージでPyramidを使い続けているといいます。
RetrokitsのRK-008は、MMT-8から確かに進化し、すばらしい機能も加わった機材だと評価しています。
2台を手に入れてライブでも試したものの、本人が「宇宙船」と呼ぶセットアップの中では小さすぎたそうです。
最新の候補は、3Dプリントのケースに収まり、MMT-8のファームウェアで動作し、8つのメモリーバンクを追加したSynthrestorerのSEQ-8です。
Synthrestorerは公式サイトで、お気に入りのAlesis MMT-8のクローンを開発したと書いています。
MMT-8の強みは、シンプルさとよく練られたソフトウェア、そしてすべての機能に前面パネルから直接触れられる点にあるといいます。
今もこの機材を使い続けるユーザーは少なくなく、市場価格も比較的高いままだそうです。
SEQ-8は最近届いたばかりで、Sunshineは興味深いと感じながらも、まだ全面的には乗り換えていないとしています。
どの機材でもSunshineが気に入っているのは、パターンや構成を再生し直さず、演奏しながらその場で作曲し、構成を組み、ループさせていける点です。
難しいやり方で、少し制御を外れながらギリギリのところを進むのが好きらしく、そこがきっと自分の幸せな場所なのだと締めくくりました。

