今年のCoachellaのデータを見ていたら出てきたのが、どのブッキング・エージェンシーがブッキングしているのかというパーセントを示したグラフ。

有名フェスに出る売れっ子DJになるには、有力ブッキング・エージェンシーにブッキングしてもらうのが大事だということがわかったので、どんなブッキング・エージェンシーがあるのか調べてみました。
有名フェスに出る方法~ブッキング・エージェンシーとは何か
Wasserman Music(ワッサーマン・ミュージック)/The・Team(ザ・チーム)

- 本社:LA, CA, USA
- 創業、設立:2002年(音楽部門は2021年設立)
- 創業者:Casey Wasserman(ケイシー・ワッサーマン)
- 契約アーティスト:Gordo, Skrillex, Fred again.., DJ Snake, Swedish House Mafia, Charlotte de Witte, The Prodigy, Disclosure
ハリウッドの伝説的なメディア帝王Lew Wasserman(リー・ワッサーマン)の孫として生まれたCasey Wasserman(ケイシー・ワッサーマン)が、2002年にスポーツエージェンシーとして「Wasserman Media Group」を創業。
2021年4月、当時パンデミックで大きな打撃を受けていた名門会社「Paradigm Talent Agency(パラダイム・タレント・エージェンシー)」の北米・イギリスの音楽ツアー部門を買収・吸収する形で、音楽に特化した「Wasserman Music」を設立。
現在、アメリカのダンスミュージック市場においてトップを走るブッキング・エージェンシーですが、2026年に創業者であるワッサーマン氏が会社の日常業務から離れ、同社は大規模なリブランディングを敢行。創業者個人の苗字を消し去り、3月に社名を公式に「THE·TEAM」へと変更しています。
イギリスをはじめヨーロッパでも強固なネットワークと高いシェアを誇っており、世界No.1の座を最大のライバルであるCAA(Creative Artists Agency)と激しく争う、音楽業界のジャイアント。
親会社の「Wasserman Media Group」は、主にMLB(野球)選手の契約で財を成し、他にも欧州サッカー、NFL(アメフト)、NBA(バスケ)、NHL(ホッケー)なども手がけるスポーツ選手のエージェンシー。
そこが他会社を買って音楽産業にも乗り出したという形態で、スポーツによる大資本と強固なリーガル部門、買収元のリソースを武器に、あっという間に業界トップ。
メジャーリーグの契約金額は天文学的な数字なので、そのコミッションで稼いでいるということは、音楽よりもスポーツの方がはるかに儲かるようです。
DJにスポーツ選手のような契約書が届いたら怖いですが、おそらくこの会社の強みは、その人身売買的な契約書だと思われます。
Creative Artists Agency(クリエイティブ・アーティスツ・エージェンシー/CAA)

- 本社:LA, CA, USA
- 設立、創業:1975年
- 創業者:のちのWMEである、当時のウィリアム・モリス・エージェンシー(WMA)を辞めた5人 、Michael Ovitz(マイケル・オヴィス)、Ron Meyer(ロン・メイヤー)、William Haber(ウィリアム・ハーバー)、Michael S. Rosenfeld(マイケル・S・ローゼンフェルド)、Rowland Perkins(ローランド・パーキンス)
- 契約アーティスト:David Guetta, Alesso, Black Coffee, Anyma, Tale of Us, The Chainsmokers,Charli XCX, HUGEL
老舗のハリウッド映画エージェンシーであるウィリアム・モリス・エージェンシー(William Morris Agency、略称WMA、後のWME) に反旗を翻したエージェント5人が立ち上げたのがCAA。
最初はまったくお金がなく、銀行ローンで$21,000を借り、小さなオフィスを借りて各自の奥さんが受付嬢をやっていたとのこと。
この会社の新しかった戦略は「パッケージ売り」。脚本家、監督、俳優など映画に必要な人材をマネジメントをしており「この脚本が欲しかったら、うちの監督と俳優も使わなくてはいけない」というパッケージ売りで、ハリウッド映画界のサプライ・チェーンを確立。
スティーブン・スピルバ-グ、トム・クルーズ、メリル・ストリープ、ブラット・ピットなどの映画人を有名にした、今でもハリウッドを牛耳っている会社。
この会社の本社はThe Death Star(デス・スター)と呼ばれる鏡張りのマッシヴなビルで、このビルにクライアントとして来社するということは、ハリウッド一流タレントの証。
音楽部門もThe Weeknd、Beyoncé、Harry Styles、Ariana Grande、Sabrina Carpenterなどを擁する名門。
多数の有力アーティストを抱える大手エージェンシーは、フェス主催者との交渉において強い影響力を持ちやすいです。
2023年、ケリング(Gucci、Balenciagaなどラグジュアリーブランドを擁するフランスの会社)のFrançois-Henri Pinault (フランソワ・アンリ・ピノー)が主要株主になりました。
つまり自分の会社(CAA)が抱える世界一のスターたちに、自分の会社(ケリング)のGucciやBalenciagaの服を着せて、世界一の映画や音楽フェスに出演させる」という、世界最強の自給自足ループを完成。
世界一の大富豪であるLVMHのベルナール・アルノー会長がファレルを買ったので、ライバルのピノー家はCAAを買った、ということのようです。
服なんかどうでもいいと思っている音楽オタクでも、Coachellaのチケットを買えば、そのうち数%はGucciの親会社の売上になっているという構造。
William Morris Endeavor(ウィリアム・モリス・エンデヴァー/WME)

- 本社:ビバリーヒルズ, CA, USA
- 創業年:2009年4月(前身の老舗WMAは1898年創業)
- 創業者:Ari Emanuel(アリ・エマニュエル)、Patrick Whitesell(パトリック・ホワイトセル)
- 契約アーティスト:Calvin Harris, Martin Garrix, Steve Aoki, Deadmau5, Peggy Gou、Mochakk
128年前、1898年にNYで設立された、世界最古にして最初の偉大なタレントエージェンシーだった名門WMA(ウィリアム・モリス・エージェンシー)。
1975年にCAAの創業者5人に裏切られ、ハリウッドの覇権を奪われていたこの老舗が、2009年に仕掛けた起死回生の一手が、新興の独立系事務所Endeavor(エンデヴァー)との合併。
この合併を裏で操り、実質的に会社を乗っ取る形でトップに君臨したのが、Endeavorの創業者であり、ハリウッドで最も武闘派と言われるAri Emanuel(アリ・エマニュエル)。
Endeavorは世界最大の総合格闘技団体「UFC」や、アメリカのプロレス団体「WWE」を丸ごと買収し、巨大スポーツエンタメ企業「TKOグループ」として上場。2014年にはスポーツ・ファッションの超巨大権利会社「IMG」を買収。
つまりWassermanが「スポーツ選手」で稼ぎ、CAAが「ハリウッドとファッション」で稼ぐ中、WMEはタレントを「派遣する」だけでなく、プロレスを中心に「興行・団体そのものを丸ごと買い取って所有する」という戦略。
世界中のスタジアムイベントやアリーナの利権そのものを握っているという圧倒的な興行主としてのパワーを武器に、音楽フェスのブッキングを有利に進めています。
2025~2026年にかけ、巨大プライベート・エクイティ・ファンドである Silver Lake(シルバーレイク) がEndeavorを完全に買収して非公開化、非上場会社になりました。
PEが買うということは収益の最大化を目指すので、売れるアーティストだけ売る(売れない人は切る)という形になっていき、ビル・アックマンがUniversalを買いたいと言っていたのと同じ問題に行きつくと思われます。PEに文化事業を売るとロクなことになりません。
何年計画か知りませんが、おそらく10年以内にはどこかに売っ払われて、親会社が変わりそうです。
ここで疑問なのが、世界最大のライブ興行主ってLive Nationじゃないの?WMEとどう違うの?という部分。調べたところ、Live Nationはいわゆる不動産業。スタジアムやアリーナを所有しつつ、アーティストを買ってツアーの運営・予算管理をしています。
WMEはコンテンツ・ホルダー。最強の興行収入と広告収入を上げるプロレスを中心に、スタジアムやアリーナを満員にするコンテンツパワーで、音楽アーティストも売り込むという手法。
ただしLive NationはTicketmasterを持っており、そこがお客さんからの集金窓口なので、どちらが強いというよりも、WMEとLive Nationは切っても切れない共存関係にあります。
ちょうど今年、NYでTicketmasterが独禁法にひっかかり、Live Nationとの癒着というか、強制的にチケットをTicketmasterのみで販売しないといけないという裏条件がNGになりそうなので、今後は勢力分布が変わってくる可能性があります。
United Talent Agency(ユナイテッド・タレント・エージェンシー/UTA)

- 本社:LA, CA, USA
- 設立・創業:1991年
- 創業者:Jeremy Zimmer(ジェレミー・ジマー/元William Morris mailroom)、Jim Berkus(ジム・バークス)、Peter Benedek(ピーター・ベネディク)
- 契約アーティスト:Marshmello, Alok, Solomun, Teddy Swims, PinkPantheress , Bonobo, Kenya Grace
テレビ界で実力のあるThe Bauer-Benedek Agencyと、ハリウッド映画界の老舗The Leading Artists Agencyが合併して生まれたのがUnited Talent Agency(ユナイテッド・タレント・エージェンシー/UTA)。
テレビとハリウッドのコネクションを生かし、コメディ界やインディ映画、デジタル・コンテンツ・クリエイターも網羅するビッグ・エージェントのひとつ。Karol G、Young Thugなどメジャーアーティストを擁しています。
2015年にThe Agency Group、2021年にイギリスの老舗Echo Location Talent Agencyを買収し、近年急速にエレクトロ音楽界でも存在感を増しました。
ここまでが大資本の4大エージェンシー。全部カリフォルニアにあるという、極端に偏った勢力図。
Liaison Artists(リエゾン・アーティスツ)

- 本社:サンフランシスコ, CA, USA
- 創業年:2004年
- 創業者:Andrew Kelsey(アンドリュー・ケルシー)、Mariesa Stevens(マリーサ・スティーヴンス
- 契約アーティスト:: Honey Dijon, Jamie Jones, Bicep, Adam Beyer, Amelie Lens, Maceo Plex, Carlita
1998年、バッグひとつでNYのBuffaloからサンフランシスコに移住してきた音楽狂のAndrew Kelsey(アンドリュー・ケルシー)が、2004年に立ち上げたインディペンデントの雄。
当時まだアメリカでは日陰の存在だった「ディープなハウスやヨーロッパのテクノ」に特化し、20年かけて現在の巨大なインディエージェンシーへと成長。
Coachellaにアンダーグラウンドなテクノやハウスだけを大爆音で流す「Yuma(ユマ)」という人気の屋内ステージ(テント)があり、ここのラインナップの多くはリエゾン所属DJたち。
リエゾンの所属DJが欲しいため、WassermanやCAAが買収交渉を仕掛けていますが、リエゾンは一貫して独立を維持。「アーティストのクリエイティブな自由を守る」という姿勢で、Honey DijonやBicepといったカルチャー・アイコンたちから絶大な信頼を得ています。
リエゾンなら担当者と相談の上、自分の趣旨とあうフェスと交渉してくれます。
アンダーグラウンドなハウスDJが狙うとしたら、このように親身になってくれる会社が良さそうです。
Feral Agency(フェラル・エージェンシー)

- 本社: ブレダ(オランダ)
- 設立・創業: 近年
- 創業者: Isa(イサ) ※オランダのハイエナジー系エージェンシー「Clear Agency」の姉妹ブランドとして設立
- 契約アーティスト: Dark Matter, Blurred Movement, FØSS, Torsten(新世代のハードテクノ/インダストリアル系DJ)
いまヨーロッパのZ世代を中心に爆発的なムーブメントとなっているハードテクノ(BPM160以上の超高速・武闘派ハードテクノ)に特化して突如現れた、新時代のインディエージェンシー。
レイヴカルチャーと密接に結びついたアパレルブランドFERAL CLOTHINGとも連動しており、親会社のClear Agencyがトランスやハードハウス、Feral Agencyが高速テクノとインダストリアル系とブランドを分け、音楽とファッションの両面からZ世代のライフスタイルにアプローチ。
以前、B2BではなくF2F(Face to Face)のセットが流行りつつあるとB2B記事でレポートしましたが、F2F専門チャンネルもオランダ発なので、オランダ中心に高速テクノが流行っており、それを主導しているのがこの会社のようです。
フェス側からしてみれば最新トレンドということで、お試しで入れやすいのではないでしょうか。
レコード会社と同じくブッキング・エージェンシーも、アメリカでは資本の統廃合が行われて4大メジャーが圧倒的なシェアを占めています。
ヨーロッパではイギリスのEat Your Own Ears、スペインのRoom 5 Agency、オランダのPeoples Agency、ドイツのMetropole Talentなどインディペンデント系もがんばっており、マスに左右されないDJたちと共に、オリジナルのクラブカルチャーを築いています。
またKeinemusikは自分たちでWorldwide Dancing Clubというブッキング・エージェンシーを設立・運営。彼らは活動歴が長くファンベースが強固で、GTA(Grand Theft Auto)やVenture Lifestyleといった大資本と協力体制を築くのが上手。レーベルや物販も手がけており、コレクティブとして独自のマーケティングを展開しています。
ブッキング・エージェンシーとDJの動向
さて有名ブッキング・エージェンシーを紹介しましたが、こういう会社と契約すると、あらゆる有名フェスに出演でき、売れっ子の人気DJになれます。
たとえばFred Again..さんはもともとイギリスのインディシーンでカルト的な人気を誇っていましたが、北米はWasserman、グローバルはWMEと契約。
これによってインディでは交渉が難しかった「フェスの最上階」へと一気に駆け上がり、スタジアム級のワールドツアーを展開、世界的ポップスターの地位へと登りつめました。
Z世代に大人気のNatte Visstick(ナッテ・フィスティック) さんは、オランダのインディからWMEへと移籍。ヨーロッパから南北アメリカやアジア、オーストラリアへの世界進出を果たしました。
逆にJohn Summitさんは、エプスタイン関連文書の公開後、2026年2月にケイシー・ワッサーマンが退任しなければエージェンシーを離れると表明。ほかにも複数の所属アーティストが批判や離脱を表明しています。
その後、ワッサーマン氏は会社の日常業務から離れ、同社は2026年3月に「THE·TEAM」へと改称しました。
公開された文書には、ワッサーマン氏とGhislaine Maxwellとの2003年のメールのやり取りが含まれていました。
※DJ Magのニュース記事: https://djmag.com/news/multiple-artists-wasserman-music-agency-speak-out-after-ceo-appears-epstein-files
またUKの老舗インディエージェンシーだったPrimary Talentは、大手ICMに買収され、さらにそのICMがCAAに買収されましたが、Primary Talentの経営陣は「これでは自分たちのアーティストを丁寧にケアできない」としてMBOを敢行し、Primary Talent Internationalとして独立を宣言。
DJはいませんが、The 1975やLana Del Rey、The Cureといったアーティストたちが、信頼するエージェントと共にCAAからインディへと戻りました。
つまり音楽レーベルと一緒で、単に会社が大きければいいというわけではなく、アーティストの個性ややりたいことと、そのエージェンシーの方向性や強みや社風が合っているかどうか、また担当エージェントと仲良くやっていけるかどうか、ということでブッキング・エージェンシーを選んでいるようです。
ブッキング・エージェンシーと契約する方法
このような会社と、どうやったら契約できるのかという本題ですが、デモテープをカリフォルニアに送っても無視されます。なぜならメジャーなブッキング・エージェンシーが重視するのは、音のクオリティではなく数字だからです。
必要な数字
- 自作曲のBeatportランキング、SpotifyやYouTubeの再生回数
- 有名クラブへの出演回数、動員数、売上
- Instagram、TikTokなどSNSでのFollower数、コメント数
- DJ Mag Top100 DJsでのランキング
エージェンシーにとっては「そのDJのファンが、どれぐらいフェスのチケットを買ってくれるのか」が重要なので、こういった数字を元に、DJと契約するかどうかを決めます。
John Summitさんは「Ernst & Youngで働いてる会計士サラリーマンDJ」というペルソナでSNSのフォロワーを増やし、ヒット曲を出してBeatportの数字も稼いで、Wassermanとの契約に至りました。
Mochakkさんは、ブラジルで急速に広まった格安携帯電話や携帯決済システムを武器にTikTokやSpotifyで爆発的なフォロワー数を獲得。フランス発Cercleへの出演YouTubeで話題となり、Cody C.やZach B.といった凄腕エージェントに気に入られ、現在はThe・TeamとWMEという大手2社から引っ張りだこ。
数字を上げれば、自動的にエージェンシーから声がかかります。彼らは現場ではなく数字を見て「次に来るスター」を常に探しているからです。
そして各位相の数字を上げるのはDJひとりでは難しいので、そういうマーケティング・アルゴリズムに詳しいマネジメント会社に所属して、プロに数字を作ってもらうことになります。
つまり世界的な売れっ子DJになりたい場合、自力→マネジメント会社所属(マーケティングの数字づくり)→レコードレーベル契約→ブッキング・エージェンシー契約、という流れです。
たとえばBlack Coffeeさんの場合、Universalと契約し、そのUniversalパワーでグラミーを獲り、DJなのになぜかギネス・レコードも獲り、「アフロハウス=ラグジュアリー」という独自マーケでアグレッシブなPR活動を展開して、CAAの契約をゲット。
フランス人DJのHugelさんの場合は、「JUNKX(ジャンクス)」など共同プロデューサーやソングライターを含むチーム体制で楽曲制作を行っています。制作やマーケティングをチームで分業するのも、現代のDJのやり方のひとつです。
2018年、NetflixのおかげでBella CiaoのRemixが大ヒット、そこからCAAと契約し、ラテンテックからアフロハウスへと転向して数字を伸ばし、大型フェスに出演するようになりました。今年に入り有名ラッパーとコラボ。数字を稼ぐために露骨なマーケ戦略を取っており、非常によく考え抜かれた「サイボーグ」的なDJです。
この論法でいくと数字を上げればいいので、アルゴリズム解析が鍵となります。
マーケティングに特化してサイボーグDJを極めるのが一番近道に見えるので、某隣国ポップアイドルたちのようにひたすらマーケして、見た目の良い男の子や女の子をDJに仕立て上げ、人気プロデューサーを雇い、英語歌詞の曲を歌わせ、ダンスビデオをつくってバズらせれば、大手エージェンシーから声がかかるかもしれません。
現在UKダンスチャートには、そんなDJ兼シンガーが大勢並んでいます。
クラブ音楽のおもしろさは、突然、サラリーマンや高校生や移民がワケのわからない曲を作って大人気になり、新ジャンルとして確立してしまうような、多様性や革新性や意外性です。
マーケで作られたアイドルDJなど量産していたら、そのうちクラブ音楽自体が急激に人気がなくなるかもしれません。アメリカのHiphopやR&Bのように。
すでに、メジャーの求めるアルゴリズムにのっとった最大公約数を稼ぐ戦略や、契約書通りの公演内容、影でこっそりプロのプロデューサーが作っているトラックは、みんなもう飽きたというのが現状。
現在最もギャラの高いDJであるFred Again..さんは、従来型のフェス出演だけでなく、サプライズ出演や突発的なライブなど、一般的な大型DJとは異なる活動スタイルを取っています。曲を作っている現場をそのままYouTubeでライブ公開しており、裏で他の人が作っているわけではないこともわかります。
彼が人気なのは、メジャーが作ったフォーマットや、マーケティング主体の「売れる法則」を完全に無視している(ように見える)からです。
結局は、サイボーグやマリオネットではないオーガニックなDJとして、圧倒的な個性や、今までなかった戦略を考え出し、自力で何らか違う指標の数字を作って、ブッキング・エージェンシーの方から声をかけてもらう、というのが一番アーティスティックで、長期に渡るDJ活動の王道なのかもしれません。
DJのみなさんには、マーケ会社やブッキング・エージェンシーの言いなりにならず、我が道をつき進んでいただきたいと思います。

