Mr.DJ on the AD – 広告に出てくるDJを探せ

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DJという存在がお茶の間にも浸透している今日この頃。流行に敏感な世代を取り込むためのクールなアイテムとしてマーケティングにも使われるようになった「DJ」ですが、そんなDJが出てくる広告を探してみました。

目次

Mr.DJ on the AD~広告に出てくるDJを探せ~

Morgan & Morgan Law Firm「Cops Make Exceptional DJs」

傷害専門の法律事務所「Morgan & Morgan」による、ポリスDJが主役のCM。アメリカで話題になったそうです。

以下、概略です。

盛り上がっている超満員のクラブにて→ナレ「警察が素晴らしいDJになれるのには、理由があります」→警察DJ「みんな、手を上げろ!!」→お客さん「うおーっ!」手を上げる→ナレ「このように、モーガン&モーガンがアメリカ最大の傷害専門法律事務所であるのには、理由があります」→お客さん「I Love Your DJ, Top-Cop!」

→ナレ「当社がお客さまのために勝ち取った賠償金は250憶ドル以上、それがNo.1の理由です」→警察DJ「お前には黙秘権がある!」→お客さん「…」→ナレ「モーガン&モーガンはアメリカ最大の傷害専門法律事務所です」

訴訟社会のアメリカ。街を歩いたり電車やバスに乗っていると、交通事故専門、離婚専門、不動産専門などなど、弁護士の広告を非常によく見かけます。

この会社は傷害専門ということで、職場での事故や不慮の巻き込まれ系事故など、あらゆる傷害の訴訟に勝って、訴えた先からお金をぶん取ってくれる弁護士会社です。アメリカは国による健康保険制度がない上に、医療費が異常に高いので、相手の過失で怪我した場合、相手から取って医療費に充てないといけません。なので傷害の弁護士は超ポピュラーな存在。

傷害の場合、賠償金から30~40%が成功報酬として弁護士のギャラになるそうです。隣の家の犬に噛まれて億単位の賠償金とかいうニュースが時々ありますが、賠償金の額が釣り上がっていく仕組みって、こういう理由だそうです。日本人からすると、ほとんどや〇ざみたいな商売。

でもこのCMって暗に、無実の罪で警察に撃たれても、訴訟しないと泣き寝入りっていう意味なんでしょうか。初見めちゃくちゃウケましたが、よく考えると怖いCM。単に「Put Ya Hands Up」って警察もDJも使うよねーハハハっていうギャグから来てるだけだとは思いますが。

このシリーズで、もうひとつ、ポリ公DJが2人出てきて、ひたすら法律専門用語を話しているというバージョンがあるらしいのですが、映像が見つかりませんでした。

GEICO「Morning Motivation With DJ Khaled」

車の保険会社「GEICO」のCMで、DJ Khaledが出てきます。

ナレ「デヴォン、GEIKOが自動車保険と二輪車保険で、15%クレジットを追加で提供しているって、知っていましたか?」→男性、眠そうに歯を磨いている「Okay」→ナレ「お金が節約できる上に15%も加算されるんですよ。さあ何を待っているのですか? DJキャレドがモチベーション・コーチをしてくれます」

→DJキャレド「よおデヴォン。円を描くように歯を磨けよ!」→男性「THX」→DJキャレド「こまかく動かせよ」→男性、ひと磨き→DJキャレド「もう一回」→男性、ひと磨き→DJキャレド「もう一回」→男性「これでいい?」→DJキャレド「あきらめるな、デヴォン!」

「Another One」はキャレドがよく使っていたフレーズ。そういった自己啓発系ワードを使って、「人生やればできる」的な熱血漢キャラを最大限にアピールしていました。

この、マルチ・プラチナディスク認定、グラミープロデューサーであるMr.モチベーションことDJキャレドが、歯磨きごときに「がんばれ!」と言うのがおもしろい、ということだったらしいのですが、これだけ叩かれまくった後に見ると、単にウザいヤツにしか見えません。

先週、Bad Bunny出演で話題をさらったSuper Bowlですが、このアメフト決勝戦中の一番広告料の高い枠で放映された、話題のダイエットピルの広告にもキャレドが出ていました。

Super Bowlは、Uber Eatsが2023年、Puff Daddy(Sean “Diddy” Combs)出演の長尺広告を打っています。今年は、昔からパフィを叩きまくっていた50Centが、Door DushのSuper Bowl広告に出てパフィをコケにするという、いわばビーフCMを展開。Door Dushは、赤いデリバリーバッグが目印の、Uber Eats競合企業です。

キャレドもパフィもフィフティも、数々のスキャンダルでゴシップ記事を賑わせ、良識ある方々から叩かれまくっているイタい面々。これだけ叩かれても、いまだに超高額CMに出演しているということは、アメリカ人は「悪名でもコントラヴァーシャルでもフェイムはフェイム」というか、憎まれキャラが好きというか、日本人からしたら謎な価値基準を持っていると言わざるを得ません。

Snickers「You’re Not You When You’re Hungry」ダフトパンク編

スニッカーズのグローバルキャンペーン「You’re Not You When You’re Hungry」のイギリスバージョン、ダフトパンク出演。コピーだけ同じで、あとは各国のスニッカーズの販促部が好きにCMを作って良い、ということらしいです。

これは「ヘルメットがないと、誰だかわからない」という、普通と逆の状況を生かした、ダフトパンクならではのシットコムCM。

ふたりの男性がDJしている、シケたパーティ会場→女性「パーティ音楽にしてくれるって思ってたのに!」→男性「そうしたさ」→女性「全然ダメよ。クソッ、彼女(お客さん)が退屈そう、どうにかしなさいよ」

→男性、DJふたりと密談→男性「おまえらパーティを台無しにしてるぞ」→DJふたり「きみ元気ないね」「今日何かあったの?」→男性「おまえらスニッカーズ喰えよ」→DJふたり「なんで?」

→男性「腹が減ってると、DJセットが…、何ていうか、“アコースティック”だろ」→DJふたり、スニッカーズを食べる→男性「どうよ?」→DJふたり、ヘルメット姿のダフトパンクに変身→パーティ音楽に変わって、パーティは大盛況→女性「なんだかいい感じね」

このキャンペーン、昔からやっていて、ライザ・ミネリ、ジョー・ペシ、ウィレム・デフォー、ロビン・ウィリアムス、ミスタービーンのローワン・アトキンソン、スティーブ・ブシェミなど、錚々たる著名人が出演しているバージョンが多数あります。

日本バージョンはないのか考えたのですが、そういえば「♪お腹が空いたらスニッカーズ」というジングルがあり、それがこの「You’re Not You When You’re Hungry」の日本語訳なんだと思い至りました。かなり差があるような…。

秀逸な英語コピーのおかげで、有名人が出ていないものも含め、全CMがおもしろいという全世界広告シリーズです。個人的には、DJが気に入らない場合「アコースティックですね」と言い逃れる会話技術を学びました。

Ez Pro DJ「DJ Fails」

簡単DJおもちゃ「EZ Pro DJ」のCM。英語がわからなくても笑えます。

こどもDJ「失敗くん」が、ベッドルームでこっそりと、簡単DJおもちゃ「EZ Pro DJ」でDJの練習をしている→お兄ちゃんたちに見つかって焦る→「お前の弟がDJだなんて知らなかったよ」「友達呼んでいい?」→こどもDJ失敗くんは、ホームパーティでレジデントDJになる→お客さんがいっぱい来て大盛況→パーティ部屋に入るのに順番待ち

→サラリーマン風の男性が入ろうとする→バウンサーに止められる→男性「入るぞ」→バウンサー「Are You On The List?」→男性「私は住宅ローンを払ってるんだぞ」(実はお父さんだった)→バウンサー、男性を入れる

→男性、マイクを取り上げ「失礼、みなさん出て行ってください、ここはベッドルームです、クラブではありません!」→失敗くん、DJで煽る→男性「よし、こっちに寄こせ」DJおもちゃを取り上げて出ていく

→お父さん、スクラッチも入れて「EZ Pro DJ」でディスコDJプレイ→同年代のお客さんが踊っている→おばあちゃんが来る→「やめなさい、お嬢さん。どんな親御さんを持ってるの、責任感のかけらもないのね。こんなもの子供に聴かせたくないわ、持っていくわよ」→女性「ママ…」(実はお母さんだった)→おばあちゃん、DJおもちゃを取り上げて出ていく

→おばあちゃん、「EZ Pro DJ」でムーディな曲をプレイ→同年代のお客さんが社交ダンスを踊っている→音楽が突然、ハードコアテクノに変わる→お客さんが激しく踊り出す→黒装束の謎の悪魔登場→DJおもちゃを持ち去る

→黒装束の中身は、実はこどもDJ失敗くん。DJおもちゃを取り返したので、クローゼットに隠れていた友達も出てきて、またベッドルームパーティが始まる

以上、2分半あります。家族みんなで遊べるおもちゃですよ、ということで、素直に笑えるCM。「住宅ローン払ってるんだぞ」って。お父さんはATM。

これはLil Louisの「Club Lonely」へのオマージュであると共に、Sean Paulの「Get Busy」へのオマージュでもあるという、大変良くできたDJ CMだと思いました。もしかして勝手に自分がそう思ってるだけでしょうか。Get Busyのビデオを観たことがない方は、以下どうぞ。

Sean Paul – Get Busy

Google Nest Mini「Home DJ」

この15秒のCMと、それにインスパイアされた2分動画の2本だけ観ても、何のことやら分からないのですが、見つからない30秒CM、もしくはもっと長い本編があったものと思われます。

CM紹介サイトによると、ストーリーは「おばあちゃんがGoogle Home Miniを使って、騒がしい子供たちを落ち着かせようとしています。子供たちは騒ぎを止め、おばあちゃんのリクエストで、シンプルでキャッチーな“ネコちゃん”の歌に合わせて楽しそうに手拍子をします。これは、典型的な“クールな”DJのイメージを覆すものです。」だそうです。

おそらく、その歌がかわいかったので、素人Youtuberがおもしろがって、Extended Mixというタイトルで、2分もあるネコ曲だけの動画を作った、ということらしいです。チープすぎる、ブサかわいい系のネコビデオが「Meow The Jewels」を彷彿とさせて、ネコヒップホップ好きにはたまりません。

DJそのものは出てこないようですが、本編が見たかったです。

BMW「XM Custom Sound by Carl Cox」

BMWの電気自動車のカスタムサウンドを、カール・コックスが作ったという企画。

なぜこの仕事をハウスDJにやらせてくれないのでしょうか。うう、くやしい。自分がくやしがる理由はどこにもないのですが、テクノに負けると憂鬱な気分になります。BMWさん、次回はトッド・テリー師匠でお願いします。

実際のところ、カール・コックスにこの仕事が来るのは、本人が何台も所有しているBMWファン兼オーナーという事実に加え、カール・コックスの所属するロンドンのマネジメント事務所が有名という理由があると思われます。有名企業のCMに出られるのは事務所の力次第という、まるでどこかの国の芸能界のような世界。

ちなみに先ほどのスニッカーズ/ダフトパンク編、故郷フランスではなくイギリス版のCMなのですが、これも実はダフトパンクが、カール・コックスと同じマネジメント事務所に所属しているからと思われます。

Ferrari「Ferrari Magazine with Swizz Beatz」

フェラーリファンが語るフェラーリマガジンという媒体の、実際は新車紹介広告。

この仕事は「ハウスDJにやらせてください」とは言えません。スウィズじゃないと無理な、フェラーリのタイアップ広告。

この自邸、すごすぎませんか? こんな家、個人で買うものではありません。サラっと「マイワイフ」とか言ってヨメ自慢してるし。Raff Ryder’s Anthem世代としては、なぜこんなにDMXと差がついてしまったのか不思議です。人生どうなるかわかったもんじゃありません。

フェラーリのウェブサイトに、長いインタビューが載っていますので、お好きな方は探して見てみてください。

番外編:Mini Cooper「DJ Mode」

CMではないのですが、おもしろかったのでご紹介します。

ミニクーパーの円形LEDスクリーンが、音楽再生のメニューで「DJモード」にできるという、開発者の遊び心あふれるインタラクティブデザイン。レコードが回っているような画面になって、スクラッチもできます。

円形のコントロールパネルはミニが業界初とのこと。音楽再生以外に、カーナビやライト変更など様々な設定ができるとのことです。

テスラのロボタクシーは、ダッシュボードと後部座席の2か所にスクリーンがあって、SportifyやApple Musicが携帯から自動同期するらしいのですが、形だけ見る限りは、本来レトロが売りのミニの方が逆に近未来的。

以上です。お酒やエナジードリンク、ファッションに関しては、DJが出ている広告が多数あるのですが、それを避けて選んでみました。

この企画を思いついたのは、ドラムパッドを叩いている男性が出てくるHennessyの広告を見たからです。CDJでなくドラムパッドが広告に出てくるなんて、今までなかったのではないでしょうか。日本人なら絶対着ない絵柄のポロシャツにも、かなりの違和感がありますが。

Hennessyは「LVMH」の「H」、ラグジュアリー帝国の王様企業です。調べてみると、Hennessyは現在、アフリカのマーケティングに力を入れているらしく、アフリカ各国のアーティストと組んだサイファー動画を作っていました。

ビートはアマピアノの3ステップ。最後のケニアの女性ラッパー、ガンガンに韻を踏んでて恐ろしいのですが、リリックを確認したところ、後半はスワヒリ語だそうです。この人すごすぎる。全ラッパー、英語+現地語、または英語に現地スラングが入っているとのこと。

最初のGIF広告もよく見ると、動画でDJ出演しているアマピアノの帝王ことKabza De Small(カブザ・デ・スモール)さんでした。南アフリカのアフロハウス、およびアマピアノや3ステップに関しては、アフロハウス特集で詳しく解説しています。

それではまた、おもしろいCMを見つけたら、紹介したいと思います。

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