おすすめドラムマシン10選【アナログ編】

おすすめアナログドラムマシン
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ドラムマシン。

そこには「手に触れられるリズム」とも言える壮大なロマンがあります。

そうです。会いに行けるアイドルのようなものです。

実際にリズムに触れられるワケではありませんが、ボタンやノブを操作して出てくる音を聴くと、まるでリズムに触れているような共感覚、リズムを自分が生み出しているんだという強い肯定感に包まれます。

それに加えて、ハードウェア特有の説得力のある音は簡単に他で代用出来る物ではありません。

全てのダンスミュージックの根幹ともいえるドラムマシンですが、今回はアナログのドラムマシンのみに絞って選んでみました。(一部にデジタル音源を搭載しているマシンも含みます)

デジタルのドラムマシンもとても良い物がたくさんありますが、載せたい数が多くなり過ぎるため、また別の機会で紹介したいと思います。

目次

ドラムマシンとは?

おすすめのドラムマシンを紹介する前に、ドラムマシンとは何か簡単に確認してみましょう。

ドラムマシンはドラムキットや打楽器を模倣することができる電子楽器です。また、合成された電子音など独自の音響効果を生み出すことができるものもあります。ほとんどのドラムマシンは、ユーザーが独自のビートを作成することができます。

ドラムマシンは一般的に電子音楽を制作するために使用され、しばしばハウス、テクノ、ヒップホップなどのダンスミュージックで使用されています。また、メトロノームとして、練習用のバッキングトラックとして、または様々なドラムのリズムを探求する方法として使用されることもあります。

ドラムマシンの種類

ドラムマシンの種類は主に3つのタイプに分けることが出来ます。

シーケンサーが内蔵されていないタイプ

シーケンサーが内蔵されていないタイプは、ドラム音のパターン作成、出力するためにシーケンサーが別途必要となります。パソコンにインストールしたDAWやハードウェアシーケンサーを繋げて操作できます。音を出すためにDAWやハードウェアシーケンサーの知識が必要となってくるため、初心者向けとは言えないでしょう。

ビートを叩くためのパッドがあるタイプ

AKAIのMPCシリーズから始まったパッドを叩いて音が出せるタイプ。以前にはLinn Drumのようにボタンを叩いて音が出せるタイプはありましたが、より快適に叩くことにフォーカスしたAKAIのMPCシリーズが一世風靡し、以降パッドタイプが定着しました。

シーケンサーが内蔵されているため、パッドで叩いた音を重ねてドラムパターンを作成できます。良いグルーヴを生み出すためには相応の練習は必要ですが、人が叩くことによって、グリッドに沿った機械的な音ではなく、人間的なグルーヴを生み出すことが可能です。

パターン打ち込み用の16個のボタンのあるタイプ

Roland TR-808などに見られるマシン下部に16個のボタンが付いている最も一般的なタイプ。デフォルトでは1つのボタンは16分音符を意味しており、左から右へボタンを押した部分が順番に再生されます。シーケンサーが内蔵していて、流れるようにパターンを作成していくことが出来るため、視覚的にも自分がどんなパターンを作成しているかが分かりやすいのが特徴です。

ドラムマシンおすすめ10選【アナログ編】

Moog DFAM

Moog DFAM

Moog DFAM(Drummer From Another Mother)は、通常のドラムマシンというよりはパーカッションマシンという位置付けです。セミモジュラータイプのドラム、パーカッション生成に最適化されたシンセサイザーで、インタラクティブなアナログのリズムマシンです。

24個のモジュラー・パッチベイを活用することで創造性ある無限の音作りが行えますが、セミモジュラータイプなので、モジュラー・ケーブルを接続せずともMOOG特有の太いアナログ・リズムを生成することが出来ます。

ハイパスとローパスの2つのアナログ・フィルターから選択し、2つのオシレーターとホワイトノイズが提供する幅広いサウンドと音色をシェイピングすることができます。ダイナミックな8ステップ・シーケンサーを搭載したMoog DFAMは、各ステップに専用のピッチとベロシティ・コントロールを搭載しており、シーケンスを実行しながら簡単にリアルタイムで操作することで、多様なヴァイブを生み出すことが可能です。

なお、メモリが搭載されておらず、セッティングの保存は行えません。 

Dave Smith Instruments Tempest

DSI tempest

Dave Smith Instruments(現Sequential)のTempestは、Linn DrumやAKAI MPCなど、最も影響力のあるドラムマシンの発明者であるRoger Linnと、シンセ界の巨匠、Dave Smithによって開発されました。

DSI Tempestには、2つのアナログのオシレーターと2つのデジタルのオシレーター、膨大なサンプルバンクが搭載されていて、それらを織り交ぜたハイブリッドなサウンドデザインを行うことが出来ます。

それゆえ、ドラムサウンドだけでなく、6ボイスのシンセサイザーとしても機能するため、単純に「ドラムマシン」と呼ぶことが出来ない多機能なマシンとなっています。

残念ながら現在ディスコンになってしまったため、中古で手に入れるしか購入方法がありません。ドラムマシンはどちらかと言えばテクノ向きなものが多いのですが、Tempestはハウスやヒップホップなど幅広く対応し、ジャンルを限定せずに使用することが出来るドラムマシンとなっています。

MFB Tanzbar

mfb tanzbar

MFB Tanzbarは、同社の522と503ドラムユニットをベースに、更に機能拡張を加えることにより2010年に発売されたアナログドラムマシンです。音はテクノ系に適しており、ミニマルテクノ、ミニマルハウスに親和性がある音です。

ベタ打ちでもグルーヴ感があり、唯一無二の音が出せますが、うまく調整しないと耳が疲れる音になりがちな点と、Shiftボタンを組み合わる操作方法が独特で覚えるのに時間がかかるため、初心者には難易度の高いマシンとなっています。

なお、サウンドにまとまりが出て、コントロール的にも扱いやすくなったMFB Tanzbar 2も存在します。扱いやすくなった代償としてインパクトは少し薄くなっていますが、より洗練されたサウンドとなっていますので一般的にはこちらの方がおすすめかもしれません。

しかし、個性的でインパクトがあるという点でいえば2010年モデルの方があります。

MFB Tanzbarは両モデル共に現在は製造終了となっており、中古でしか手に入りません。

Vermona DRM1 MK IV

Vermona DRM1 MK4

Vermona DRM1 MK IVは、8つのアナログ・ドラム・ボイスを搭載し、それぞれのサウンド・パラメーター、パンニング、ボリュームを9つのノブで設定できます。Roland TR-808やTR-909をモデルに製造されたドラムマシンは多いですが、DRM1 MK IVはそのどちらの音でもありません。

標準的なMIDIに加え、USBを搭載しており、パソコンなどから簡単にコントロールすることができますが、シーケンサーを搭載していないため、ドラムトラックを制作するためにはDAWか、ハードウェア・シーケンサーに接続する必要があります。

また、メモリ機能やプリセットもないので、セッティングメモや、写真に撮るなどして記録を残していないと簡単にリコール出来ないという、まさに一期一会なドラムマシンです。

決して初心者向きな製品ではありませんし、クラップ音がちょっとショボいのも気になりますが、Vermonaの製品はとにかく音が太く存在感がすごいため、一手間かけるだけの価値がある製品といえます。

Elektron Syntakt

Elektron Syntakt

Elektron Syntaktは鮮明な有機ELスクリーンを搭載し、すべてのパラメータ情報を表示することができます。

Syntaktには優れた4つのアナログサウンド・エンジンと8つのデジタルサウンド・エンジン、12トラックのシーケンサーと組み合わせられており、様々なジャンルに対応しています。

各トラックは対応するパッドを押すことで選択でき、高品質のエンコーダーで各パラメーターを正確にコントロールできます。

アナログドラムとFMベースのデジタルドラムがうまく融合するように細部まで緻密にデザインされており、各サウンドを合わせた際のチグハグ感は全くなく、今までのElektron製品からさらなる高みに到達したといえる製品となっています。

また、ドラムサウンドだけでなくシンセサウンドも作ることが出来るため音楽制作の中心として活躍できる1台です。

「サンプラー機能が内蔵していれば最強のドラムマシンとなったであろう」と巷では言われておりますが、可能なら今後のアップデートで対応して欲しいところです。

Jomox Alpha Base

jomox alpha base

JomoxのAlpha Baseは、同社が長年にわたり製造してきた数多くのドラムマシンの集大成といえる製品です。

Alpha Baseは、11種類のインストゥルメント、パラメーターロック付きシーケンサー、サンプルストレージ、インプット、MIDI/USB/SDカードを備えています。キックドラム、スネア、ハイハット、ベース、タムのアナログ・サウンドエンジンに加え、さらに最大6ボイスの4オペレータFMシンセも搭載しています。

またユーザーはSDカードを使ってAlpha Baseに自身のサンプルを読み込みことができるため、拡張性に優れたグルーブボックスとなっています。

くっきりとしたレンジの広いサウンドのため、現代的なプロダクションに置いても違和感なく機能するでしょう。

Soma Laboratory Pulsar-23

Soma Pulsar-23

SOMA LaboratoryのPulsar-23はセミモジュラータイプのドラム・マシンで、いわゆる普通のドラムマシンとは毛色が違います。実験的なブレイクビーツからグリッドを超えたグルーヴまで生み出す従来の概念を打ち破るドラム・マシンです。

内部接続に関してPulsar-23は、従来の1/8インチや1/4インチ・ジャックのケーブルを使わず、ワニ口クリップとバインディング・ポストを採用しており、接続される信号に応じて柔軟に機能します。

Pulsar-23は4つのボイスを搭載し、 BD(バスドラム)、BASS(フル機能のサブトラクティブ・モノフォニック・ベースシンセ)、SD(スネア/クラップ)、HHT(ハイハット/シンバル)となっています。各ボイスは、共通のコントロールと、ボイスごとに異なるユニークなコントロールが可能です。

特徴的なディレイやリバーブ・ユニットとの組み合わせにより、心地よいオーバードライブから粉砕されたサウンドまで様々なアナログサウンドが得られます。シーケンサーには、リニアなステップ・シーケンサーではなく、音楽イベントの始まりと終わりを記録するテープ・ループのようなユニークなシーケンサーが搭載されています。

また、MIDIラーン機能を使ってMIDIメッセージをドラム・パラメーターに割り当てたり、4つのMIDI-CVバインディング・ポストから好きな場所にパッチを当てたりすることができます。

Pulsar-23は従来のドラム音をはるかに超えたリズムの実験や、新しい音を発見するための理想的なパートナーとなっています。普通のドラムマシンで満足出来なくなった方におすすめです。

Behringer RD-8 MK2

Behringer RD-8

Behringer RD-8 MK2は、Roland TR-808をモデルに作られたドラムマシンです。グルーヴ感以外はオリジナルのほぼ完コピといえるその製品はクリアで音の粒たちが良いです。クローン機を製造することについては賛否両論ありますが、この価格でこの音は素晴らしいの一言です。

RD-8 MK2はオリジナルで使用されていた「BA662」チップを再現することに成功し、新たなコンポーネントと回路を使って一から再設計し直した結果、サウンドとノイズ、フェーズレスポンス(位相応答)が劇的に改善され、MK1より格段に音が良くなっています。(クラップの音だけMK1の方が好きな感じですが…)

見た目の変化で言えば、左の4つの鍵盤が白色から黒色に変化しています。

音の厚み、リズムの芯が全く違いますので、これから購入する人は間違いなくMK2を購入した方が良いでしょう。(日本では2022年6月現在未発売となっています。)

Behringer RD-9

Behringer RD-9

Behringer RD-9は、11種類のドラムサウンド、64ステップシーケンサー、ウェーブデザイナー、デュアルモードフィルターを搭載したクラシックなアナログ/デジタルドラムマシンで、RolandのTR-909をモデルに開発されました。

こちらもかなりの再現度の高さで、これ1台でかなり遊べます。しかし、「RD-8 MK1」であったようにフェーズレスポンス(位相応答)があまり良くない感じが個人的にしますので、改良版であるRD-8 MK2の売れ行き次第では、RD-9 MK2の発売もあり得るのではないかと考えてしまいます。

Acidlab Drumatix

Acidlab Drumatix

Acidlab DrumatixはRolandのTR606をベースに開発され、TR-606のサウンドを見事に再現しています。

しかし、ただのTR606のクローンでないことはノブや音色を確認すれば一目瞭然です。ローランドのTR606が6つのノブだったのに対し、AcidlabのDrumatixは21個もノブがあり、より多彩なドラムのコントロールが可能になっています。

例えばバスドラムは、可変ディケイとチューニングという追加機能により、本物のTR606よりはるかにヘビーな低音が出せたり、オリジナルに搭載されていないリムショットやハンドクラップが追加されています。

シーケンサーはオーソドックスな16ステップのTRタイプのシーケンサーを搭載し、MIDIにも対応しているため、現代的な制作スタイルにもマッチするようになっています。

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