Stimmingがマシンライブ向けマスタリングツール『The Instant Mastering Chain』を発売
ハンブルグを拠点とするプロデューサーのStimmingは、長年にわたりエレクトロニック・ミュージックに独創的なサウンドをもたらしてきたことで有名です。
Stimmingはダンスフロアの技術的なマエストロとして、手作りのテクスチャー、フィールドレコーディング、最新の機材を駆使して作曲、ライブパフォーマンスを行っています。Youtubeなどで彼が最新の機材を使って電子音楽機器を頻繁にレビューしているのを見たことがある人もいるのではないでしょうか?
何年にもわたってオンラインで機材をレビューしてきたStimmingは、音楽制作者のライブセットに革命を起こす機材「Instant Mastering Chain」を自分で作ることを決めました。
「ステージ上にコンピュータを置かないと決めたとき、すぐにステージ上でサウンドをリアルタイムにマスタリングするという問題に直面しました。それから4年、いくつかの異なるアプローチとプロトタイプを経て、この問題を解決することが出来ました。」
ライブを演奏する電子音楽アーティストにとって、ステージ上で音圧を上げ、鮮明にすることの苦労はよく知られています。この問題を解決するために、Stimmingは完璧なポータブル・アナログ・マスタリング・ツールを探し求めましたが、自分の基準を満たすものがなかったため、ドイツのミュージックテック企業であるDOCtron社と協力して一から開発しました。
「これは飛行機内に手荷物として持ち込めるほどのサイズでありながら、DJに対抗できるだけの大音量を出すことができます。クリーミーな低音と高音を加え、アタックはそのままに好みのコンプをかけ、真空管のウォームさを加えてトランスに押し込みます。あなたの音楽が一気に2歩近づきます!」とStimmingは説明します。
Instant Mastering Chainは、完全なアナログ・オーディオ・プロセッサー・チェーンでありながら、カーボン・ポータブル・パッケージを採用し、わずか1kgの重さを実現しています。このデバイスは、ハードウェアのみのライブセットを念頭に置いて設計されていますが、スタジオでも(特にパワフルなバスコンプレッサーとして)素晴らしい働きをします。さらに、トゥルーバイパス仕様になっているため、不意な電源コードの脱落などが起きても演奏を止めることなくライブを続けることが出来ます。
“これは旅するエレクトロニック・ライブアクトのためのマスタリング・デバイスです”
価格は2,799€と高価ながら、この小さな筐体の中にマスタリンググレードのバスコンプレッサー、EQ、ドライブ機能を備えた出力トランスが搭載されていて、他にはないポータブルさを考えると納得の価格かもしれません。完全なプロフェッショナル仕様の製品と言えそうです。
DOCtron – IMC (Martin Stimming’s Instant Mastering Chain)は、2,799€で販売されています。