Joey Negro（ジョーイ・ネグロ）

2019年5月21日2022年4月24日

URLをコピーしました！

Joey Negro（ジョーイ・ネグロ）

「HeatwaveのBoogie Nightsを13歳で聞いた時から、僕はダンスミュージックに恋をしたんだ。」

Joey Negroは世界的有名なイギリスのDJ・プロデューサー・リミキサーであるDave Lee（本名）の最も知られている別名義です。

日本ではJoey Negroとして知られていますが、本国イギリスでは本名のDaveと呼ばれているそうです。

音楽的な興味の始まりは1970年代後半にディスコ、ソウル、ファンクのレコードを収集することから始まりました。

86年にスタジオワークの傍らでRough Trade Recordsのダンスミュージック部門「Demix」の設立に携わりました。その経験が生かされ、88年に自身のレーベルRepublic Recordsを立ち上げることになりました。

音楽制作をスタートさせた当時、Joey Negroはイギリスでハウスミュージックにディスコサンプルを組み込んだ最初のアーティストの一人でした。

他のアーティストたちが困難に直面し、機材の前でもがき苦しんでいた時から、その才能を垣間見せており、その結果、Republic Recordsはイギリスで初めてのソウルフルなハウスを送り出すレーベルとして数多くの曲を送り出し高い評価を得ました。

90年にアメリカのカルトハウスレーベルNu Grooveから「Do It Believe It」をリリースすると、その後すぐに自身のレーベル「Z Records」を立ち上げ、本格的にJoey Negro名義での活動を開始しました。この曲が成功を収めると、徐々にシーンで頭角を現していきました。

Joey Negro – Do It, believe It (Organic Mix)

90年代後半から2000年代にかけては、リミキサーとしての需要が高まり、ダイアナ・ロスやペット・ショップ・ボーイズを筆頭に数多くの有名アーティストのリミックスを手掛け、その地位を不動のものにしました。

常に音楽制作において満足すること無かったJoey Negroの音楽への情熱は、多くの別名義という形で世に放たれます。

Akabu、Jakatta、Doug Willis、The Sunburst Band、 Sessomatto、Z Factorなどが良く知られた別名義ですが、これほど多くの別名義を持ったプロデューサーは、いまだかつて聞いたことがありません。

300以上のプロダクション、数え切れないほどのアルバムを作ってきたJoey Negroのディスコグラフィーは一見するととても印象的です。セレクターとしてディスコやハウスへの深い愛情と造詣の深さを示し、その理解は世界中のクラブシーンで彼の存在を確実なものにしました。

警察の残虐行為や、黒人に対するあらゆる人種差別による暴力事件に抗議して、非暴力的な市民的不服従を提唱する運動である「Black Lives Matter」の影響から、2020年7月21日、「Joey Negro」の名前の使用を止め、本名である「Dave Lee」で活動することが発表されました。「長い間、Joey Negroという名前に違和感を感じていた」とコメントを残しています。

質の高い英国産のハウスミュージックを制作し続けるその才能は、最も信頼できるアーティストとの一人として現在でもそのニーズは絶えず、長年のキャリアから作り出された珠玉のダンスナンバーは、常にフロアを彩り続けています。